第7回:ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ2<天地大乱>

※ビデオは東和ビデオからレンタル中

キャスト(声優)

ウォン・フェイフォン:リー・リンチェイ〈ジェット・リー〉(池田秀一)、イー〈ショーチェ〉:ロザムンド・クァン(玉川紗己子)、リャン・フー:マックス・モク(堀内賢雄)、ラン提督:ドニー・イェン(大塚芳忠)、孫文:チャン・ティエリン(星野充昭)、リク:デビッド・チャン(幹本雄之)、クン大師:ホン・ヤンヤン(広瀬正志)、総督:ヤム・サイクン(田原アルノ)、イギリス領事(辻 親八)、白蓮教の少女(こおろぎさとみ)、白蓮教徒(田中正彦)、その他(高宮俊介、成田 剣、中田和宏、後藤 敦、鈴木勝美、川津泰彦、引田有美、林 玉緒、大塚瑞恵、大谷育江)

物語

清朝末期、中国の地は大乱に満ち、国民は安心して生活する事もできなかった。
その原因は外国人だとし、排斥を掲げる新興宗教・白蓮教は外国人領土を襲い、政府とにらみ合う日々だ。
そんな中、学会のためにこの地に広東の佛山から来た医者のウォン・フェイフォン達は、学会の席で革命を起こそうとする医者の孫文と出会う。
それと同じ頃、政府のラン提督も孫文がやがて起こすであろう革命の情報を掴み、孫文とその協力者である実業家・リクを逮捕しようと狙う。
元々外国人を快く思っていなかったラン提督は、白蓮教のイギリス領事館襲撃に便乗し、リクと孫文を捕まえ、革命集団の名簿を手に入れようとする際、イギリス領事を殺害。
そして、ウォン正義のために白蓮教の教主であるクン大師、そして領事殺害の秘密を知ってしまった上にリクを逃がす助けをしたため、ラン提督とも戦わなければならなかった。
ウォン・フェイフォン渾身の必殺技・無影脚が人々の悲しみと共に炸裂する!!

解説

初期3部作のうち、唯一日本で劇場公開されたシリーズ第2作(後の2作品はビデオ発売)。
1作目を知っていれば当然おもしろさも上がるんだけど、もちろんこれから見ても充分楽しめる。
最初のほうでは汽車に揺られてコミカルな演技(いわゆる西洋料理に対してのカルチャーギャップとか)をしているので、リンチェイを見ても「コイツが主人公?」とか思うかもしれないが、あなどるなかれ、その強さはハンパではない(公開時のキャッチフレーズが「腰抜かす程強いので、覚悟!!」だった事もうなずける)。どれくらい強いかというと、2時間近くある映画の中で、ダメージらしいダメージは一度しか食らわないほどである(わかっているとは思うけど、アクション映画なのでだいぶ長い時間アクションシーンがありますよ)。しかもその一撃も際して喰らう程ではなく、服が破れただけという、ドラゴンボールZの悟空のズボンほどの頑丈さを誇っている(笑)。
そしてこの映画、クライマックスが2度あるといってもいい程の壮絶バトルがラストにあり、前者はVSクン大師、後者はVSラン提督、とハンパではない対決が待っているので未見の方は死ぬ前に一度、見ておくことをオススメする(保証しますよ、多分ね)。
・・・と、まぁ、映画自体の解説はここまでにして、肝心の吹替のお話。
ビデオ発売時は、日本公開時にカットされていた部分が追加されており(字幕版ビデオは未収録)、ちょっと得した気分になる(DVDでは入っているようなので今はあんまり意味はなさないが)。そういったサービスが吹替だけに入っていたりするとちょっとうれしいところでもある。
キャストはこの作品あたりからリンチェイ作品をよく担当するようになる池田秀一。氏といえばシャアがまず一番に思い浮かぶが、この作品ではシャアとは違った、正義感に燃えながらも、西洋の文化にはついていけずちょっとおっちょこちょいなフェイフォンを上手く演じており、後の作品でも続投されて当然だろう。
また、ヒロインのイーの声はロザムンド・クァンの雰囲気にぴったりだった池田秀一氏の実の奥さんでもある玉川紗己子氏。最後にも技をキメてくれます。
弟子のフーはチャーリー・シーンの吹替などでよく活躍する堀内賢雄氏。コミカルな役はお手のものなので、安心して見れます。役者がレオン・カーヤンに変わった亜流ワン・チャイ(烈火風雲)でも同じくフーを担当していただけにハマリ度がうかがえます。
敵対する邪教集団のボス・クン大師は洋画・アニメ問わず悪役をよく担当する広瀬正志氏。氏はこの後も色んな役でこのワンチャイシリーズに出てくる・・・というかで過ぎです(数えただけでも天地覇王でヘンリー将軍、烈火風雲でチョン・シショウ、アイアンモンキーでチェン総督と全部で4本)。
一方のラン提督の声は「日本一のアメリカ声」こと大塚芳忠氏、この役を機に、ラン提督を演じたドニー・イェンをよく演じるようになります。個人的には、ジェフ・ゴールドブラムに並ぶハマリ役だと思うほどピッタリ。
「酔拳2(フジTV版)」、「蜀山奇伝・天空の剣」などでも超人的な強さの悪役だっただけにこの役もやはり強い。というかもうバケモノです。彼に布を持たせようものなら、その布はコンクリートをもブチ抜く凶器となります(笑)。
オススメ度:☆☆☆☆☆ 、評点98点

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