霊幻道士

1985年、香港映画  原題:彊屍先生、英題:Mr.VAMPIRE 配給:東宝東和

※台湾や大陸等では「暫時停止呼吸」、「凶屋先生」等のタイトルで公開・ソフト化。

■ソフト情報(※海外版は原則的に日本語字幕・吹替共に無しのソフトがほとんど)
ビデオ発売:ポニー・キャニオン(字幕スーパー、日本語吹替版)
DVD発売:ユニバーサル・ピクチャーズ(字幕スーパー、デジタルリマスター版)
旧DVD発売:パイオニアLDC、メガスター・ビデオ(字幕スーパー)
香港版DVD発売:デルタマック(日本語字幕無し)
            IVL(日本語字幕無し、デジタルリマスター版)
北米版DVD発売:20世紀FOX(日本語字幕無し、デジタルリマスター版)
EU版DVD発売:メドゥーサ(日本語字幕無し、香港レジェンドレーベル)
海外版VCD発売:デルタマック(香港)、新生代寶信資訊(台湾)

STAFF
監督:リッキー・リュウ〈劉觀偉〉
製作総指揮:サモ・ハン・キンポー〈洪金寶〉
アクション監督(武術指導):ラム・チェンイン〈林正英〉
                 ユン・ワー〈元  華〉
                 サモ・ハン・キンポーグループ(洪家班)
製作:レイモンド・チョウ〈鄒文懐〉
    レナード・ホウ〈何冠昌〉
製作担当:チェン・ペイワー〈陳佩華〉
原案:エリック・ツァン〈曾志偉〉
    バリー・ウォン〈黄炳耀〉
脚本:シトー・チャホン〈司徒卓漢〉
特撮監督:チェン・シャウナン
音楽:アンダース・ネルソン
    メロディ・バンク
主題歌:リッキー・ホイ「鬼新娘」
制作、配給:ゴールデン・ハーベスト、ボーホーフィルム
配給:ゴールデン・ハーベスト、STAR TV、メディアアジア、フォーチュンスター・エンターテインメント
日本版テーマ「CHINA」作曲:高中正義

CAST(補足、声優)
チェン先生(コウ、カウ):ラム・チェンイン〈林正英〉(青野 武)
モンチョイ(モン、マン):リッキー・ホイ〈許冠英〉(古川登志夫)
チュウサム(チュウ、サンコー):チン・シュウホウ〈錢小豪〉(塩屋 翼)
ティンティン:ムーン・リー〈李賽鳳〉(佐々木るん)
保安隊長ウェイ:ビリー・ロウ〈樓南光〉(屋良有作)
キョンシー(ゾンビ):ユン・ワー〈元  華〉
風水師(四目道長):アンソニー・チェン〈陳  友〉(仲木隆司)
シャンシー:ポーリン・ウォン〈王小鳳〉(小山茉美)
米屋:ウー・マ〈午  馬〉(藤本 譲)
ヤン:ウォン・ハー〈黄  哈〉(嶋 俊介)
見回りのオヤジ:ラウ・チャウサン〈劉秋生〉(大山高男)
米屋の息子:ティン・カイマン〈田啓文〉(津久井教生)
その他声優(田原アルノ、竹村 拓)

STORY

今から100年以上も昔の中国での話。霊幻道士と呼ばれる厳しい修行を積んだ僧と呪い等により凶暴化した死体キョンシーの戦い。
霊幻道士チェン(コウ、カオ)は街の富豪・ヤンの父の墓の改葬の依頼を受ける。しかし、父の死体は恨みを持った占い師の呪いによって地獄行きとなるような埋葬になっていた。今すぐ火葬にした方がいいと言う道士。だがヤンのたっての願いで火葬はとりやめられ、道士の家で保管されるが、道士の施した術もむなしくキョンシーとして復活しヤンが殺されてしまう。
殺されたヤンはバンバンシーとなって暴れまわり何とか道士によって始末されるが、一方のキョンシーはヤンの娘・ティンティンを狙い、それを止めようとした道士の弟子・モンチョイ(モン)に傷を負わせさらに凶暴化していく。
キョンシーに爪で刺されたモンチョイはキョンシー化していき、もう一人の弟子・チュウ(サンコー)もシャンシーという女幽霊の色香に惑わされ、助けにきた道士にも襲いかかる始末。
キョンシー化していくモンチョイを何とか治しシャンシーをチュウから離させた道士はキョンシーとの最終決戦の臨む。果たして、勝負の行方は!?

解説:亜流が沢山出てきたから「元祖」って言い出したんだっけ?(笑)

元祖キョンシーホラーという新ジャンルとして公開された劇場第1作。出演はこの後死ぬまで道士役を演じ続けるラム・チェンインや「Mr.BOO!」のリッキー・ホイ、当時新進気鋭のアクション俳優チン・シュウホウなどそこそこに豪華なキャストである(ちなみにクレジットの順番からいくとリッキー・ホイのほうが上なので主人公は道士ではないらしい)。製作総指揮は「世界一身軽なデブ」ことサモ・ハン・キンポー(今はサモ・ハンのほうがなじみやすい?)。後のシリーズの根源になる設定が多分に含まれているので、これからキョンシー(または香港映画)に入ろうとする人(要は興味のある人)は必ず見ておくべき1本。
今はフィルムはゴールデン・ハーベストからスターTVに権利が移っているのでOPのタイトルクレジットや日本語字幕がビデオとDVD、さらに深夜枠で放映されたTV用字幕で大幅に異なっている(役名の表記に違いも然り。ちなみにDVD版は現地の人間が翻訳したらしく、日本語自体がおかしかったりして面白さはダウンしているように感じる)、好みが分かれるとこなので気になる人は4つ見て比べてみるのも面白いだろう。
ちなみに吹替版ではコウ(カオ)からチェンに名前が変更されているが本編中はもっぱら「先生」と呼ばれていた(映画のパンフにもビデオのジャケットにも「霊幻道士」、または「道士」と書かれている。
中国では馴染み深い風水師という職業も風水ブームにさきがけ知る事ができた(まぁ、仕事の内容は大幅に違うんだがパンフの記述には「このほかに、住宅やお墓の方向の吉凶も占う」と書かれているんでDr.コパもついでに風水で占いをやって本当はコンシーを冥界に届けているんだろう〈笑〉)。
香港映画の特徴(?)であるパクリもちゃんとあり(「ドラグネット」という米TVシリーズのテーマを堂々と使ったり)突っ込んで探してみるのもいいだろう。
霊幻道士の弟・風水師の役を演じているアンソニー・チェンはこの後、第4作の主人公となる。なお、某資料によると4作目・最後の霊戦のゴクウ道士は1作目のイン道士の兄弟弟子と表記されているので、風水師がイン道士(ラム先生のほうの道士はチェンやコウ、カウなので間違ってもインとは読まないだろう)だとすれば俳優つながりのキャスティングで興味深い。
原題の「彊屍先生」はキョンシーを倒す道士の事ではなく、「キョンシーさま」という意味で、死者を重んじたタイトルのようだ。
地方ではアメリカ・イタリア合作(チケットには合作超大作と大ハッタリかましている)のホラー映画「デモンズ」が同時上映だった。
そして、本作のヒットにより、怒涛の勢いで一連の「霊幻道士サーガ」が制作されていく。
オススメ度:☆☆☆☆☆ 、評点:95点

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