※ビデオ版吹替は東和ビデオからビデオがレンタル中、ワーナー・ホームビデオからDVDがレンタル・発売中
蘇乞兒〈蘇化子〉による奇想天外な修行の末、酔拳を会得したウォン・フェイフォン、しかし、酔拳に依存し、これを使いすぎるとし、父であるケイインから酔拳の使用を禁じられていた。
ある時、薬を買い付けに行った帰り、税金逃れのために高麗人参をイギリス領事の荷物に忍ばせた事から事態は急展開、領事の荷物には中国皇帝の証である翡翠の印章が入っており、領事は国外へ持ち出しては外国に売りさばいていたのだ。それを知った軍人武道家のフク・マンケイは領事の荷物から印章の箱を盗み出すが、それは印章ではなく、フェイフォンの忍ばせた人参のほうであった。
逆にフェイフォンは、印章を手にしてしまい、イギリス領事から目をつけられる。そしてそこにつけこみ、ケイインの所有する土地をタダ同然で手に入れようとする。
治外法権でやりたい放題のイギリス領事の横暴さに、部下である製鉄所の工員は強制残業を強いられ、しまいには工場が閉鎖されるまでになるが、ある時、製鉄所で作られた鉄製品のケースから、盗まれた中国の財宝が見つかり、それを見た工員のヒンは領事に捕まり、印章を取り返そうとしたフクも、領事の手下に撃ち殺されてしまう。
フェイフォンは製鉄所へ乗り込み、ヒン、そして中国の財宝を取り戻すために領事の配下である武道家集団と戦う事になるが・・・。
さて、久々に更新のこのページ、復活第1弾はみなさんご存知酔拳2!!
この映画は前作から約16年経過し、「ワン・チャイ」ひっとによる折からのカンフーブームで「カンフー映画をもう撮らない(脱カンフー)」と公言していたジャッキーが再び撮ったカンフー映画、それがこの酔拳2だ。
ここら辺は、映画雑誌などで腐るほど解説されているので解説は割愛するが、ジャッキー映画でも、屈指のバトルが拝見でき、かつ、吹替もビデオ、TV版ともども、甲乙つけがたい良作に仕上がっている。
ただ、ラストバトルだけに絞れば、TV版のほうが色んな意味で「はじけ」ており、TV版を先に見るとビデオ版のかけ声は物足りなく感じてしまう(笑)。
それくらいTV版のジャッキーのキレっぷり(石丸博也のキレっぷりとも言うけど)は凄まじく、リアルに「あぁ、工業用アルコール飲んで頭おかしくなっちゃったんだなぁ」という妙な怖さも感じる事ができて逆に凄いかもしれない(笑)。
あと、ビデオ版とTV版で印象が変わったキャラとして、敵ボスのジョンと、フェイフォンの親父のウォン・ケイインが挙げられる。
前作に登場した小松方正の蘇化子との息の合った掛け合いとかは見られないが、代わりに蘇を2つに分けたような配分でその役割を親父のケイインと母のリンに振り分けられている。
そしてそのケイインはビデオ版は堀勝之祐、TV版は青野 武なのだが、ビデオ版はいかにも厳格で、かつ奥さんには甘い役柄なのに対して、青野 武のケイインは厳しい中にも「(酒くさいジャッキーの息の匂いをかいで)ホント臭い」とかところどころボケをかますキャラに変更されており、けっこう好みが分かれたりする。
ジョンは、ビデオ版の田中正彦は「ちょっと嫌味」レベルなのに対して、TV版大塚芳忠のキャラは物凄い、嫌味たっぷりでしかも喋りだけで「あぁ、コイツボスかな」てすぐにわかってします・・・現実にボスだったんだけど。
戦いの時も悪役をやり慣れてるだけあってまさに「キックの鬼」のジョンをキャラをさらに強く感じさせるのにはこの人以上の声優はいないのでは?とは思ったんだけど、後にも先にも大塚芳忠がロー・ワイコンをやったのはこれっきりでした(ファイナル・プロジェクト〈TV版〉も、ゴージャスも大塚芳忠はワイコンじゃない別の俳優でした)。
あと、最後の疑問としては、フェイフォンのかあちゃんが上がった麻雀の役は「チンイツ(清一色)」なのか「満貫」なのかわからないところか、字幕版では満貫だったんだけど、吹替はビデオ・TV共にチンイツだったんだよなぁ(まぁ、吹替は訳が違えどビデオとTV、翻訳者一緒だから仕方無いんだろうけど)。
オススメ度:☆☆☆☆ 、評点:85点
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